【blenderチュートリアル】ダイナミックペイント 描いた線からいろいろ出す01【blender2.76】
ダイナミックペイントの使い方
その機能をさらに追及していきましょう
ダイナミックペイントは軌跡を描くための物理演算機能です。
ブラシとキャンバスを用意して色を塗りつけるのは
ダイナミックペイントの機能の内一部だけなのです。
ウェイトペイントの機能
ペイントと名はついていますし大部分の機能は
色をつけることで済んでしまうかもしれません。
ですがその線を軌跡として利用し
線上から効果を波及させる機能があります。
波を出す、ウェイトマップで凹凸を作る、絵の具を垂らす
という3つがそれにあたります。
ゲームに出てくるような水面を作る
①分割したPlaneとCubeを用意します
②キャンバスとなるPlaneのスペキュラを下げ
ミラー【mirror】にチェック
空の写った画像を用意する
③空の画像をマッピング[mapping]タブでReflectionに設定
すると鏡に映ったような画になる。
キャンバスにしたい物にダイナミックペイントのキャンバス
ブラシにしたい物にダイナミックペイントのブラシを設定
④頂点の量によって波【wave】の描画が変わると確認できた。
パースペクティブビューには写っていないが
レンダリング時には映り込みも描画されるリアルな水面ができた。
水面の表情
Open Bordersは辺の端で波紋を跳ね返らせる
waveのsmoothnessは数値を上げると波紋を滑らかにする
ブラシの設定一番下にあるFactorは「-1」で水を吸い付かせる
物理演算の限界
3Dに物理演算があるのはいったいなぜでしょう。
私の友人はアニメーションを作るのに手付ではない方法を提供するためだと言っていました。 髪をなびかせる時にキーフレームを打つのは困難だし、ものが多くなれば自由落下させるのにキーを打つのはばかばかしい だから用意されたのだと
でも物理演算はキーを打つ量を減らすためにあるという割には本のページをめくることも命令できませんし、破ることも摩擦で輪を回すのも物理演算ではできません。布を折り曲げても折り目がついたりもしませんし水にぬらしても乾いたままです。
実際にwaveの物理演算を施したPlaneにダイナミックペイントで
塗ってみると波の揺れるのに合わせて塗料が流れていくことはありません
その場で揺れるだけです
本来波が起きて波紋が生じると落とされた色は模様を描きます。
対して現行の物理演算はそれが起きない
二つの物理演算はお互いに干渉せず独立しているためにそういったことが起こるのです。
物理演算はモデルを落とすわけでなく、頂点に重力をかけるだけに留まっています。
つまり何度落下しても欠けたりはしないのは物理演算が落ちてなにかにぶつかる演技をモデルにさせているだけで、実際に起こることを計算しているわけではないのです。
物理演算の個性から正しいアプローチを考える
物理演算はオブジェクトに演技をさせていると私は言いました。
比喩ではありません、映画や演劇と同じと考えてください。
映画を例にとってみましょう、たとえば銃撃シーン。
銃撃シーンでも実際に俳優は撃たれませんが撃たれたふりをします。それによって実際に撃たれた場合とは食い違った事実が出てきてしまう。
これを肯定的に受け取れば用意された物理演算を
モデルに対してどんなルールも貼りつけることができるとも考えられます。
落下して何かにぶつかるとモデルからいろんな色の煙が立ち昇る
だとか、接近すると火花が大量にモデルから出るという
文で表記しにくい映像表現を物理演算は叶えてくれるわけです。
文では表現しにくい映像に適している
頭では想像できるけど絵コンテ以外じゃ記録できない。
漫画の戦闘シーンなども物理演算が使えそうですね。
モデルが[物理演算]するとキャンパスに描かれた線から[いろいろ]出てくる
というルールに合わせて考えると映像を作りやすくなるでしょう
作ったルールから実際に映像におこす
塗る行為を物理演算にするとき
垂らして撫でつけるという現象を単純にします。
水の中に絵の具を垂らせばダイナミックペイントとは違って煙のような形が水中では描かれますがそれを省略した描画をするわけです。
実際では絵の具を水に垂らせばそれが水中に広がっていく
これをルールに合わせて考えるならば
モデルが[波を起こす]と
キャンパスの線から[煙]が出てくる
これで少し現実に近いダイナミックペイントになりました。
このように物理演算では現実に起こる自然現象も「より文章で表現しにくい」部分に限って再現できるようになります。モデルの物理演算とダイナミックペイントの線で効果範囲を決める というのが基本的な物理演算の方法といえます。